文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

02 小説作品

第百回 オール讀物新人賞 をりをり よみ耽り を読んだ。

貸本屋の若い女性「せん」が主人公という、時代劇物でもかなり異色なのではないか。 葛飾北斎などが出てくるので、江戸後期の話である。 御公儀の検閲が厳しく、貸本屋も怪しい本を扱うとしょっ引かれる。主人公の父親は本の挿絵を彫る彫り師であったが、御…

貝に続く場所にて 石沢麻衣 165回 芥川賞、ノミネート作品 を読んだ

明日が芥川賞の選考会なので、どうにかギリギリ5作品読破。 まとめは今晩にでも書こうと思う。 貝に続く場所にて 作者:石沢 麻依 講談社 Amazon 久しぶりに読めない作品を読んだ。 おそらく、意図的に読みにくい表現にしていると思われる。 読みにくい理由は…

水たまりで息をする 高瀬隼子 165回 芥川賞、ノミネート作品 を読んだ

今回はあっさり近所の図書館で揃った。 水たまりで息をする 作者:高瀬 隼子 集英社 Amazon あらすじ 地方出身30代半ばの女性が主人公。東京住まい。OL。同年代の男性と結婚して都内のマンションにくらしている。旦那もサラリーマン。 ある日、旦那は飲み会で…

オーバーヒート 千葉雅也 165回 芥川賞、ノミネート作品 を読んだ

オーバーヒート 作者:千葉 雅也 新潮社 Amazon 前作、デッドラインの続きである。前作は修士課程を語っていたが、今作は大学に勤務したあとのはなし。 主人公の名前が○○なのである。なぜだろうか? 名前くらい付けてやればよかったのに。 ぶっちゃけ本人なの…

165回 芥川賞、ノミネート作品 くどうれいん『氷柱の声』を読んだ

氷柱の声 作者:くどう れいん 講談社 Amazon 3.11ものである。ちょうど十年なのでタイミング的にはいいかも知れない。震災を忘れない、というテーマはよく届いた。 3.11ものというと、どうしても美しい顔を思い出してしまう。ぶっちゃけ美しい顔に似ている。…

決闘者 宮本武蔵

決闘者 宮本武蔵(上)(新潮文庫) 作者:柴田 錬三郎 発売日: 2016/03/11 メディア: Kindle版 決闘者 宮本武蔵 が面白すぎる。 エロ、グロ、暴力が常にまとわりついた作品。さらに、「男」否「漢」を描いている。 昨日もブログを更新する前にちょっと読もう…

第164回 芥川賞候補作 母影 を読んだ

母影(おもかげ) 作者:尾崎 世界観 発売日: 2021/01/29 メディア: 単行本 新潮十二月号が近隣の図書館で全滅で、隣町の隣町まで行って読破してきた。 これで、候補作を全て読み終えたことになる。 総評は明日書こうと思う。 ネタバレ有り。 では、本作品の講…

第164回 芥川賞候補作 推し、燃ゆ を読んだ

推し、燃ゆ 作者:宇佐見りん 発売日: 2020/09/10 メディア: Kindle版 推し、というのは自分が贔屓にしているアイドルのことである。 燃ゆ、とはSNS等、ネットで炎上することである。 主人公は女子高生。好きなアイドル、いや、全身全霊を捧げているアイドル…

第164回 芥川賞候補作 コンジュジ を読んだ

コンジュジ (集英社文芸単行本) 作者:木崎みつ子 発売日: 2021/01/20 メディア: Kindle版 コンジュジとはポルトガル語で配偶者という意味らしい。 謎なタイトルである。 この作品も普通に面白かった。特に気に入ったのは外国人バンド、カップスのインタビュ…

小隊 砂川文次 を読んだ。第164回芥川賞候補作

あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。 なかなかラジオ計画が進まない今日この頃。 読者の皆様にとって素晴らしい年になることを祈念致します。 さてさて。 本題に入ろう。 最高だ。面白い。いい作品である。 どのくらい面白かった…

旅する練習 を読んだ 第164回芥川賞候補作

旅する練習 作者:乗代 雄介 発売日: 2021/01/14 メディア: 単行本 乗代氏の作品は前回も読んだが、今回のほうが野心作であることは間違いない。 純文学なのでネタもクソもないが一応、 ネタバレ注意! あらすじを書くと、 著者、と思わしき小説家の主人公が…

額田女王 井上靖 を読んだ

乙巳の変から5年後の、650年から690年頃までの話だろうか。 有間皇子謀反事件、白村江の戦い、遷都、壬申の乱、などを額田は経験する。ただ経験するのではなく、時の支配者である天智、天武の三角関係にもつれながら経験するのである。 白村江の話などを天智…

果実の舟を川に流して 鷺沢萠 を読んだ

葉桜の日(新潮文庫) 作者:鷺沢萠 発売日: 2017/12/22 メディア: Kindle版 この作品、かなりツボってしまった。 さくっと一時間もかけずに読み終わるだろうと読み始めたが、いつの間にか没入してしまって、いろいろ想像を膨らませながら読んだので三時間く…

葉桜の日 を読んだ。感想。レビュー

葉桜の日(新潮文庫) 作者:鷺沢萠 発売日: 2017/12/22 メディア: Kindle版 鷺沢萠はブロ友の湊さんが贔屓にされている作家さんで一度読んでみたいと思っていた。 ふらっと入った本屋にぱっと目にとまったので購入。 女流作家、35歳でお亡くなりになっている…

埼玉文学賞2019受賞作 ツクモの家 を読んだ。

www.saitama-np.co.jp 2019年はまだLGBTが流行っていた年だろうか? LGBTネタの小説は有り余るほどあり、普通の人間が出てくる小説よりも多いくらいである。 これは、ただLGBTではなく、さらに、捨て子、という設定も入れている。主人公はLGBTなので、必然的…

第163回芥川賞候補作 破局 遠野遥 を読んだ 感想 レビュー

破局 作者:遠野遥 発売日: 2020/07/04 メディア: Kindle版 これで、今回の候補作は全部読んだ。 最初に予想を言ってしまうと、わたしはこの「破局」が取るのではないかと考えている。 筋骨隆々でモテモテの慶応ボーイ、陽介が主人公なのだが、性格がカミュの…

第163回芥川賞候補作品 赤い砂を蹴る 石原燃 を読んだ 感想 レビュー

赤い砂を蹴る (文春e-book) 作者:石原 燃 発売日: 2020/07/13 メディア: Kindle版 これで、5作中4作読んだことになる。 ただ、残念ながら、今のところ、「これだ!」という作品はない。 石原氏は太宰治の孫とのことだが、作風は微塵も太宰ではない。よく見か…

第163回 芥川賞候補作 首里の馬 高山羽根子 を読んだ 感想 レビュー

新潮 2020年 03 月号 [雑誌] 発売日: 2020/02/07 メディア: 雑誌 超大雑把にあらすじを書くと、ある日庭に馬が迷い込んでくる、という話。犬や猫が迷い込んでくるかのように馬が迷い込んでくる。 主人公はWEB英会話の講師ような感じで、WEB謎々の出題者をや…

第163回 芥川賞候補作 三木三奈「アキちゃん」(文学界5月号) を読んだ。

文學界 (2020年5月号) 発売日: 2020/04/07 メディア: 雑誌 ネタバレあり ネタバレしないとレビューのしようがないので、ネタばらしすると、アキちゃんという女の子は今流行りのLGBTで、生物学的には男であるが、精神的には女の子なのである。 主人公は小…

第163回 芥川賞候補作 岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」(群像2月号) 読んだ 感想

最初は映写技師の話で、古い映画館の中身など知らないので、なかなか興味深く読ませてもらった。主人公は映画技師のアルバイトをしている。かなり詳細に映画上映の手順が書かれている。フィルムの扱い方、停電の時、コマ落ち、などなど。 163回芥川賞候補作…

さぶ 山本周五郎 を読んだ 感想 レビュー

さぶ (新潮文庫) 作者:周五郎, 山本 発売日: 1965/12/28 メディア: 文庫 めちゃくちゃ面白い。山本周五郎が廃れない訳が分かった。 江戸時代の経師屋の話である。経師とは屏風や襖を作ったり修理したりする職人のことである。 江戸時代の庶民の話であるにも…

百万ドルをとり返せ!

百万ドルをとり返せ! (新潮文庫) 作者:ジェフリー アーチャー 発売日: 1977/09/01 メディア: 文庫 言わずと知れた名作。なんとジェフリー・アーチャーはガチで詐欺に遭って、その体験をもとにこの小説を書いたとか。 原題は「Not a penny more, Not a penny…

黒い雨 井伏鱒二 を読んだ 感想 レビュー 地図付き

黒い雨 (新潮文庫) 作者:鱒二, 井伏 発売日: 1970/06/25 メディア: 文庫 言わずと知れた名作である。 私は読む前、所詮単なる反戦反日左翼小説だろうと高をくくり、速読でさくっと読み終えてやろうと思っていたが が、 読み進めて速読などは到底出来なくなっ…

海辺の光景 安岡章太郎 を読んだ 感想 レビュー

海辺の光景 (新潮文庫) 作者:章太郎, 安岡 メディア: 文庫 戦後初期の作品である。しかし、古さなどは微塵もない。美しく、面白い作品。 内容は、ただ若年性?痴呆症になった母を精神病院に見舞いに行く話。 それだけなのに、家族の心情とか、社会の風潮とか…

一夢庵風流記 隆慶一郎 を読んだ。 感想 レビュー

一夢庵風流記 (新潮文庫) 作者:隆 慶一郎 発売日: 2011/06/01 メディア: Kindle版 ネタバレなし。 隆慶一郎作品は吉原御免状シリーズで最高に楽しませてもらった記憶がある。 漫画の花の慶次を読んでいたので、そのイメージが拭えなかったが、小説とは物語が…

点と線 松本清張 を読んだ 感想 レビュー

点と線 作者:松本 清張 発売日: 2012/09/20 メディア: Kindle版 恥ずかしながら松本作品を読むのはこれが初めてであることをここに告白する。 松本清張は比較的最近の作家なのかと思っていたが、実は横溝正史とほとんど変わらない。 松本1909-1992 横溝1902-…

ジョーカー・ゲーム 柳広司 を読んだ

ジョーカー・ゲーム (角川文庫) 作者:柳 広司 発売日: 2011/06/23 メディア: 文庫 ネタバレなし!!! 誰かが、 「ジョーカー・ゲーム面白いよ」 と言っていたのが頭の片隅に残っていて、自粛の暇つぶしでブックオフに行ったら100円で売っていたので買って帰…

仮面の告白 三島由紀夫 を読んだ。感想 レビュー

仮面の告白 (新潮文庫) 作者:由紀夫, 三島 メディア: 文庫 三島の自伝的小説である。 二十四歳でこれを書くとかって、どれだけ天才なの? 文章はもとより、構成もシナリオもピカイチである。 もちろん、読みにくい小説ではある。さくさく読める小説とは全然…

螢川 宮本輝 を読んだ

螢川・泥の河 (新潮文庫) 作者:輝, 宮本 発売日: 1994/11/30 メディア: 文庫 宮本輝の芥川賞受賞作品。非常にレベルの高い芥川賞作品である。 宮本輝の小説は一言で言うと「めちゃくちゃ上手い」 読みやすいし、場面がすらすらと頭に入ってくるし、人間は目…

橋ものがたり 藤沢周平 を読んだ 感想 レビュー

橋ものがたり (新潮文庫) 作者:周平, 藤沢 メディア: 文庫 橋をからめた10編のものがたりが納められている。 どれも江戸町人の話であり、チャンチャンバラバラは入っていない。武士もほとんど出てこない。 舞台が江戸なので知った地名がちょくちょく出てくる…