女子高生の物語。どうしてこうもリアルに恥ずかしげもなく女子高生や高校を表現出来るのだろうかと感心した。作者は本当の女子高生だった。
高校生活が懐かしくなってしまう作品。ちょっと寝る前に数ページ読もうと思って手に取ったのであるが、最後まで一気読みしてしまった。
いわゆる、キャラを演じる、と言われる昨今の若者がテーマ。みんなそれぞれのキャラを演じている。
面白いのは、一見キャラを演じていないように見える真柴も自分で気付かずに自分のキャラの役割を全うしていることである。
無意識でやっているのだから、それは演じている範疇に入らないのではないか、と思うだろうが、役者が深く役に入り込んだとき、演技をしているという意識はない。
これが、現代の病なのではないかと思う。分かっていて違う人格を表現している人間の方が、実は演技をしていないというパラドクス。
そんなことを感じた作品。
