芥川賞受賞後第一作、というので、最近の芥川賞作家を思い浮かべるも、誰だか分からず。ググると、ちょっと前の人だった。
わたしは受賞作、破局も読んでいる。
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今回の作品の主人公も、破局の主人公と被る所がある。作者はこういう主人公が好きなのだろうか。
ただ、今回は主人公の異様さよりも、設定の異様さが気にかかった。
舞台はどこかの学校。全寮制。外部との交流は一切無い。主人公含め生徒たちがどこから集められたのか、どういう出自なのかも一切分からない。
そんな閉鎖空間で、主人公含め高校生程度と思われる学生たちはセックス三昧。セックスのためにセックスをするだけではなく、学力向上のために、1日3回のオーガズムが推奨されている。
オーガズムに達しないと刑務官のような人たちにしょっ引かれる。
学力テストは、裏返してある紙に、なにが書いてあるのか当てるというもの。一体なんのためにそのテストをしているのかも不明。
ひょっとしたら続編があるのではないだろうか? これで終わってしまうとあまりにも不完全燃焼過ぎはしないだろうか?
読んでいる最中は、狂ってて面白いのであるが、読了後に作品を思い返すと、一体アレはなんだったのか? とまるで夢のような荒唐無稽さを感じざるを得ない。それでもいいという作品なのだろうか。