乗代氏は今回4度目のノミネート。ちなみに、過去3作品は全部読んでいる。
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旅する練習 を読んだ 第164回芥川賞候補作 - 文学・文具・文化 趣味に死す!
最高の任務 乗代雄介 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー - 文学・文具・文化 趣味に死す!
皆のあらばしりは傑作だと思ったが、それ以外はイマイチ。この著者は何でもないことを作品にする。最近の傾向で、主人公が特殊環境にあるものを小説にする嫌いがあるが、この著者は真っ向勝負である。それはいいのであるが……
では本作について。
高校生の修学旅行を描く。班行動だからか、
内容は主人公が東京への修学旅行の時間を利用して、家出したおじさんに会いに行くというもの。
もちろん、修学旅行の行程に「おじさんに会いに行く」などとは書けないので、偽の行程表を作る。もともと、主人公とその他の生徒は仲がよくないので、最初は勝手な行動をするな、と怒られる。しかし、主人公は人の話など聞かないのである。結局、他の男子も主人公と一緒におじさんに会いに行くという展開。
高校生、
元々ギクシャクしている四人の関係であるが、班行動を抜け出し、
この作者は文章が上手い。描写が上手い。
芥川賞が作品ではなく著者へ与えられる賞だとしても、