文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

わたしを離さないで を読んだ

 

 

 

言わずと知れたノーベル文学賞作家の代表作である。

 

 

ネタバレあり

 

 

内容はありふれた臓器提供用クローン人間の話なのだが、描写が半端ない。とことん、描写を読者にぶつけてくる。もう見たくない、というくらいまで人間の心理を書く。

 

クローン人間に人間らしさはあるか、というテーマがある本書。人間よりも人間らしく表現する、そのことに成功しているのではないだろうか。

 

はっきり言って読みやすい作品でもなければ、ページをめくる手が止まらなく作品でもない。それでも、重いページをめくりながら、最後まで読んでしまう作品。

 

キャシーは一体誰に向かって話しているのだろうか? 読者だろうか。

 

そして、物語は唐突に終わる。

 

昔何かで読んだ純文学の定義。それは、どのページで終わっても作品が成り立つ、ということ。

 

この作品は、まさにその純文学の定義よろしく、ズバッと作品が終わっている。

 

映画にもなっているが、この作品が映画になるのだろうか? 興味深い。プライムになったら見ようと思う。