言わずと知れたノーベル文学賞作家の代表作である。
ネタバレあり
内容はありふれた臓器提供用クローン人間の話なのだが、描写が半端ない。とことん、描写を読者にぶつけてくる。もう見たくない、というくらいまで人間の心理を書く。
クローン人間に人間らしさはあるか、というテーマがある本書。人間よりも人間らしく表現する、そのことに成功しているのではないだろうか。
はっきり言って読みやすい作品でもなければ、ページをめくる手が止まらなく作品でもない。それでも、重いページをめくりながら、最後まで読んでしまう作品。
キャシーは一体誰に向かって話しているのだろうか? 読者だろうか。
そして、物語は唐突に終わる。
昔何かで読んだ純文学の定義。それは、どのページで終わっても作品が成り立つ、ということ。
この作品は、まさにその純文学の定義よろしく、ズバッと作品が終わっている。
映画にもなっているが、この作品が映画になるのだろうか? 興味深い。プライムになったら見ようと思う。