２０２１年 ワクチン接種が始まる。日本でも十二月にはワクチンパスポートが開始され、翌年七月にはワクチン接種法が制定され、年二回の接種が義務化される。ワクチン接種義務違反は強制接種の対象となる。しかし、２０２５年ごろから超過死亡が著しく増加し、ワクチン接種の副反応と認定される。２０２６年に接種は停止される。ワクチン接種者の死亡日時が正確に予想できる検査が確立し、接種者は五年から十年のうちに死亡が確定する。約七十億の人間が十年以内に亡くなる。ワクチン接種を協力に推し進めていたNID所長、合衆国大統領首席医療顧問＝ステファニー・ガルシア副反応による死を予見していたことを認め服毒自殺。
２０３１年十月一日、達也は十年前の２０２１年九月二十三日にコロナに罹って死んだ弟＝裕二の墓参りを済ます。その日は、妻の理恵が死ぬ日でもあった。理恵の入院する病院で、五年ぶりに高校時代からの友人、高田と会う。高田は脳機能学者だったが、ワクチン虚偽接種により逮捕、強制接種の前日にワクチン接種法が改正されたので、数少ない未接種の一人だった。妻の死を見届けた後、達也は服毒自殺を試みる。
服毒自殺したはずの達也は、２０２１年九月二十三日に目を覚ます。しかも、死んだはずの弟の体に時を遡って乗り移っていた。弟はコロナによって死んだのではなく、ワクチン接種により死んだことを知る。裕二の体に入った達也は、ワクチン接種を回避して生き延びる。
十年前に戻った達也は、ワクチン接種を中止すべく、活動を始める。弟の会社の同僚だった由奈も、ワクチンに反対していて、一緒にデモにも出かける。達也は、まず、過去の自分と妻にワクチン接種を思いとどまらせようとする。過去の自分は、弟がコロナで死亡したこともあり、渋谷の特設会場で理恵と供に接種してしまっていた。だが、裕二の体でこの時代の理恵に会うと、実は理恵はワクチン接種をためらっていた。そんな彼女に自分がワクチン接種の圧力をかけていたことを知り、愕然とする。由奈とは次第に仲良くなり、十月七日の地震の日に付き合うこととなる。
十月十日、弟の体の達也は、この時代の自分の結婚式に出席すべく、式場へ向かう。しかし、交差点を渡っているときに、無理に右折してきたトラックに轢かれて死んでしまう。死んだ達也が目を覚ましたのは、２０３１年十月二日だった。だが、過去へ行って裕二になっていた記憶などは、全て忘れていた。今の達也は、時間軸Bの達也だった。しかし、行き交う記憶は時間軸Bの達也の記憶にも干渉して、しばし達也は混乱する。また、裕二がコロナで死ななかったことのより、ワクチン接種のタイミング等が異なり、達也と理恵の余命が時間軸Aとはことなり……。
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昨日ツイッターにだけアップして、こっちにアップするのをすっかり忘れていた。
ただいま本編執筆中！
