ペンの光 2017年4月号より
素性法師の歌。すじょう、ではない。そせい、と読む。
桓武天皇の孫。
立春が来て、世の中が春らしくなれば、枝にかかった雪も花のように見える。そこに、鶯がやってきて鳴いていれば、なおさら春の雰囲気である。
よく和歌では上の句で情景を歌い、下の句で心情を歌ったりするが、これが全部情景を歌っている。
この歌の醍醐味は、雪と鶯という冬と春のその境目、せめぎ合いであろう。実に風流である。
さて、楷書で書くとこうなる。
今回はガラスペンを使用。楷書の方は墨汁で書いている。墨汁+ガラスペンは非常に使い勝手がいい。墨汁で使える、金ペンの浸けペンが出ないだろうか。