タイトルからしてイカしている。わが友ヒットラーのオマージュか?
スミスとは一体何者か、と思うが、答えは筋トレマシーン。
筋トレ小説である。
ただ、大会までの道のりを描いているので、ある意味青春小説かもしれない。
これも哲学的な思考がいろいろ出てくるのであるが、全て筋肉と結びつけて思考するところがいい。
また、文章が秀逸なのだ。ここまで読ませる文章の小説には久しぶりに出会った。言葉のセンス、ユーモア―、比喩、実に面白い。ゲラゲラ笑ってしまう面白さだ。
主人公の成長もしっかりと描かれている。筋肉と共に成長していく主人公。筋トレの世界、ボディビルの世界が一気に身近になる。ボディビルの細かい規定、アイテム、作法などが余すところなく?描かれている。
ただ、ラストがよくわからなかった。ネタバレになるので書かないが、なぜ主人公はそんな選択をしたのか。
充分過ぎるほど芥川賞の可能性はある。ただ、わたしがメチャクチャ面白いと感じる作品はこれまで弾かれている。それが心配だ。
たとえば、
第164回 芥川賞候補作 コンジュジ を読んだ - 文学・文具・文化 趣味に死す!
とか
幼な子の聖戦 木村友祐 を読んだ 芥川賞候補作品 感想 レビュー - 文学・文具・文化 趣味に死す!
とか。