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第166回芥川賞候補作 九段理江「Schoolgirl」 を読んだ

 

 

即席でつくったんだろうけど、この表紙はなんか変だ。

 

ものすごい勢いの作品。怒濤のように言葉が押し寄せてくる。

 

掛け値無しで面白い作品だった。

 

あらすじは、一人娘を育てる母親の話。娘はグレタに傾倒する意識高い系の中学生。母親は不倫したり、今ひとつ現実に充足感を見いだせない30代の女性。娘は母親を馬鹿にしきっているが、母親もどこか娘を馬鹿にしている。そんな不思議な親子関係。娘も変わっているが、母親も相当変わっているのだ。

 

母親の一人称と、娘のyoutubeチャンネルが交互に現れる。母親は娘のチャンネルを観て娘の本心を知る。なかなか上手い構成である。

 

一見ただの思考ダダ漏れ小説のような感じなのであるが、娘が母親の本棚を発見して、自分の母親ではない時代の母親を発見したりと、物語的奥行きもある。

 

さて。これで全作品を読了したわけである。

 

芥川賞の発表は十九日なので、明日、受賞予想を立てようと思う。