響の小説に対する考えが素晴らしい。
主人公の響は完全にイっちゃってる人で、心療内科に行けばきっとたくさんお薬をもらえるはずだ。
だからこそ、この作品は面白い。ただ単に良い小説を書く、というだけでは物語にならない。
思ったことをずけずけ言う。気に入らなければ即ゲバルト。
面白い小説を書く、というのはおまけのようなキャラ設定である。
ただ、私自身が小説を書いているので、小説系ネタは腑に落ちるし楽しい。
一つ気に入らないのは、「豚小屋の豚」の作者である。芥川賞に三度ノミネートされて、単行本まで出版していて、まだまだ若いのに、自分の境遇に不満を述べるなんて贅沢すぎるのではなかろうか?
私のように20年小説を書き続け、ほんの数回小さな賞の最終選考には残るが受賞に至らず、それでもまだ書いている。私の方が死にたい。
面白い小説を書こうという気にさせてくれる、小説家にとっては見る価値ある作品だと思う。
漫画が原作らしい。漫画はしらない。