わたしがまだ学生の頃に全巻まとめて買った。
名作だからご存じの方も多いと思う。
加納刑事が悪をズドンズドン容赦なく撃ち殺していく爽快な漫画である。初期の頃は頭を吹っ飛ばして、目玉が飛び出す描写が多かったが、クレームがついたのだろうか、途中から胸を撃つようになった。
手足がちぎれ飛ぶ描写もたくさんあり、よく少年誌で連載していたな、と隔世の感がある。
ドーベルマンデカは1975年頃の話であるが、社会はそれほど今と変わらない。出てくる車がクラシックカーなので見応えがある。
巻末に有名人の応援メッセージがあるが、その中で、「加納刑事一緒に飲みましょう。その時はハーレーで来ないで下さい。飲酒運転になってしまいますから」とある。当時から飲酒運転がいけない、という認識はあったらしい。
当時は著名だったのだろうか、今では名を忘れられている人が多いと思う。その中で千葉真一のメッセージがあった。映画版ドーベルマン刑事で加納役を務めることになったと。
しかし、その加納は漫画の設定とは大きく異なり、石垣島出身の田舎っぺでいつもペットの黒豚を連れているという。石垣から出てきた田舎者が新宿の町を黒豚と共に歩くのが見所らしい。怖いもの見たさに観たい気もする。
大変面白いのだが、連続で読み続けていると食傷気味になる。とにかくハードボイルドで次々死んでいく。
ほとんど一話完結である。毎週あのシナリオを考えている武論尊氏は天才である。