漢字で四股と書くらしい。
本映画のタイトルは「シコ」と片仮名表記である。
最後に清水美砂が言う台詞。
「シコ、ふんじゃった」
これが、四股踏んじゃった、では全く雰囲気が出ない。
この微妙なニュアンスが分かるのは日本人だけだろうか。
内容は典型的なスポーツドラマ。
廃部寸前の相撲部を立て直すべく、もっくんたちが特訓する。
相撲部のOBが、「このオカマやろう! オカマやろう!」とLGBTを歯牙にもかけぬ台詞を連発して、観ているこっちが冷や冷やするという。
名作中の名作だけあって面白いことは間違いない。
どこから集めてきたのか役者がいい。
周防監督の作品はこのあと、それでもボクはやってない、まで開く。当時はリベラル系活動家として司法制度に立ち向かっていたので、それでも~は映画館で観た。
ずいぶんと毛色の違った作品を作ったものである。このあとの、終の信託も社会派映画らしい。未見であるが。
ただ、今思うと、それでも~ もやっぱりエンタメ作品だったのだ。ただ、エンタメ作品に同時に社会派的要素が加味されていた。つまり、映画はどれだけエンタメにつくっても社会派的要素が混じってしまう。100%エンタメ、100%社会派、などという映画はない。文学、純文学と大衆小説にキッパリと分けられないように。
それでも~ エンタメ100%、社会派1000%みたいな作品かもしれない。
次はこれを観るかな。