ネタバレなし!!!
誰かが、
「ジョーカー・ゲーム面白いよ」
と言っていたのが頭の片隅に残っていて、自粛の暇つぶしでブックオフに行ったら100円で売っていたので買って帰った。
うむ。読みやすくて普通に面白い。ミステリー的面白さが満載で、ページをめくる手が止められない。
結城中佐のキャラもよく出来てるし、事件も裏の裏まであって読み応えがある。文章も簡潔で格好いい。
面白い小説が読みたい、と言う人にはお勧めである。
ただもちろん、純文学的な面白さとは全然違う。
ページをめくる手が止められない、というのは確かに面白さの一つだろうが、三島のようにページをめくる手が重く動かすのに一苦労する、というのも、別の意味での面白さである。
小説には様々な面白さがあっていいと思う。ただ、最近は純文学的な面白さの作品が少ない。少なければ人々がそれを手にとって面白さを知ることも出来ない。
近年の芥川賞作品でいえば、むらさきのスカートの女は面白かったが、どちらかというとエンタメ的な作品である。
直近で純文学的で面白いと言えるのは百年泥だろうか。