日本の着物文化が廃れたことのひとつに、着物に対して気を遣いすぎているのではないかと思う。もっと気軽に着ていいはずだ。
洋服に種類があるように、着物にも色々種類がある。たとえば、スーツのようにビシッと着なければならいもの。部屋着のように好き勝手着ていいもの。
よく、部屋着としてだらしないジャージを着ている人がいる。あれでいいのだ。あの感覚で着物を着ればいいのだ。べつに、式典に出るわけではないのだから。
はっきり言って、中古の着物は滅茶苦茶安い。笑えるくらい安い。比較の対象に相応しくないのは百も承知で言うが、ユニクロより安いのではなかろうか。洒落で買って洒落で着てみて欲しい。そうすれば、着物がいかに楽な服であるか分かるはずである。
ただ、いろいろな着物を買ってみて分かったのであるが、絶対に長襦袢は正絹を選ぶべきである。着物は正絹でも綿でも麻でもなんでもいいと思う。長襦袢は肌に触れる。正絹の着心地は格別である。
着物はウール以外がいいと思う。ウールの着物は嫌ですぐに友人にあげてしまった。
家でくつろぐとき、わたしは着物が一番楽である。そんな着物は暫く着て汚れたら、洗濯機でザクザク洗う。洗剤も普通の洗剤。洗い方も標準。
こんな感じで干す。ハンガーで干すと、方の部分に重みがかかってよれてしまうので、物干し竿に腕を貫通させて干す。
着物は洗うと縮む。こんな感じ。
べつにこのまま着ても良いのであるが、気になるならアイロンを掛ける。そうすればなんとなく治る。完璧にかけようと思うと面倒臭い。
着物を着る効能をいくつかあげる。
1.楽である。バスローブみたいなものなので当たり前と言えば当たり前だ。
2.意外に暖かい。ダウンまでとは行かないが、今日くらいの陽気なら襦袢と着物でストーブが要らないくらい。
じゃ、夏はどうか。麻の単衣も持っているが、やはり夏は暑い。シャツと短パンには叶わない。江戸時代の庶民は、夏は裸でいたらしい。
3.時代劇の動き方の合理性が理解できる。例えば、立ち小便するとき、大きくまたを開く。ああしないと裾に係るのである。あと、冬、襟を立てて小股で歩く。あれは大股で歩くと風が入ってきて寒いからだ。etcetc。
4.なんとなく文豪になった気がする。(これはわたしだけか)
5.日本の文化を守ってるような気になる。(これもわたしだけか)
6.お祭りなどで微妙に目立つ。
7.洋服と和服の思想の違いが分かる。
と思いつくのをパッとあげてみたが、もっとあるはずだ。
わたしがたまに買っている安い着物屋のリンクを張る。ここは昔送料無料だったので、1000円くらいのものをちょくちょく買っていた。
このなかのアンティーク着物がお勧めだ。着用できない、と書いてあって、中にはボロボロで本当に着られないのもあるが、だいたい着られる。