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夏目漱石の「こころ」を聞いている。

最近、車を運転するときなど、夏目漱石の「こころ」を聞いている。youtubeの朗読である。何の気なしに聞き始めたら、面白くてはまってしまった。

 

わたしは最近、和服を着ている。古道具屋で紬と角帯を格安で買ってきたのだ。

ネットや図書館で着物の着方を調べると、まず、襦袢なるものが必要なのである。襦袢とは肌着のようなものだ。しかし、小島よしおよろしく、「そんなの関係ない」と無視して、シャツの上に紬を着ているのだ。

 

こころ、はもちろん明治が舞台。なので、大体和服で、和服に関する記述が多々出てくる。例えば「もう八時過ぎであった。私は帰ったなりまだはかまを着けていた」「この羽織はつい此間こないだこしらえたばかりなんだよ」などである。

 

襦袢について印象的だったのは以下の下りである。

青空文庫より引用。

先生と私 30 にこのような記述がある。

秋が暮れて冬が来るまで格別の事もなかった。私は先生のうちはいりをするついでに、衣服のあらりや仕立したかたなどを奥さんに頼んだ。それまで繻絆じゅばんというものを着た事のない私が、シャツの上に黒い襟のかかったものを重ねるようになったのはこの時からであった。

 

なんと、「私」も襦袢を着ていなかったのである。明治のひとはシャツの上に着物を着ていたのかも知れない。和装も、もう少し気楽にやった方が流行るのではないかと感じた今日この頃である。

 

 

こころ 坊っちゃん (文春文庫―現代日本文学館)

こころ 坊っちゃん (文春文庫―現代日本文学館)

 

 


《朗読》夏目漱石『こころ』(1)