もともとは浅田次郎の小説である。
塩引き鮭を作っている侍の子供が、実は御落胤で突然殿様になって藩を倒産の危機から救うという話し。
浅田次郎の歴史小説は新しいものほどコメディ要素が強いような気がする。壬生義士伝などはあまりコメディ要素はない。
六兵衛などはもはや実験小説的である。主人公がひと言も喋らない。
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一路などもコメディである。
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さて、大名倒産であるが、ミステリー要素も多分にあるので、ネタをばらしてしまっては何も面白くない。
ただ、浅田次郎が描く歴史小説のキャラクターは、名も金も命も要らぬという人物が多い。今回の主人公もまさにそんな感じで、家臣たちの尊敬を勝ち取る。
勧善懲悪、一件落着の見やすい時代劇である。