池澤夏樹は妙なオーラがあると思う。
声が変だし、たたずまいも変だし。
今回は石牟礼道子についての講話。
苦海浄土が文学かノンフィクションかについて熱く語っておられた。それどころか、苦海浄土の所々を朗読されて、この表現はマイク持って患者の話を録音したのでは不可能であることを証明されていた。
もともと、チッソが汚した海は、魚がわき出すような豊穣の海であった。それこそが、近代にはない満ち足りた生活。
チッソは早い段階で原因がわかっていた。しかし、国も止めない、チッソもやめないのは、高度経済成長に必要だったから。いわば、国とチッソは職業的良心に基づいて海と人を破壊した。
池澤は「近代が奪った、それ以前の満ち足りた生活」と言う。
石牟礼道子は昔から不思議なものが見えたという。山に行って山のものを取るとき、海で海のものをとるとき、山や海に挨拶をする。すると、向こう側の世界には入れる。
石牟礼道子は舌が大変肥えていて、不味いものは一切食べなかったらしい。ちゃんとした魚が出れば食べたが、スーパーなどの変な魚には絶対に箸を付けなかったという。
一夫一婦制にしてしまうと恋愛詩が読めない。日本ほど色恋いものの文学が満ちている国はないという。
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