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夏の文学教室に行ってきた その2 安藤礼二先生の講演

 

死者の書 (角川ソフィア文庫)

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死者の書

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安藤先生は折口信夫死者の書についての講演をされた。死者の書は闇から始まり、光でおわる。

折口は民俗学研究のようなことをしていたらしい。そこで、言語の研究をしていた。言葉というのは精神的なものと物質的なものの垣根を取り払う、そういう機能があるという。

また、本来喋る言葉には、音楽のような曖昧性や感情を動かすパワーがあったと。

このことはよく宮台真司がよく言っている、感情を伝えるはずの言葉が書き言葉に変わったことにより大規模統治が可能になり官僚支配がはじまり云々の話と一致する。

安藤先生の話では、言葉にそういった感情的能力を託せるのは、もっとも上の人間ともっとも下の人間だという。もっとも下の人間とは芸能関係の人間。

もっとも上の人間とは天皇である。

日本人は天皇の言葉に動かされる。

そう考えると、天皇陛下が文章ではなくビデオで語るというのは、そのことを意味しているようだ。

死者の書が書かれたのはS13年、226事件はS11年。

三島ではないが、折口も226事件という青年将校が理想国家を作ろうとしたのに、天皇の一声で「叛軍」にさせられてしまったことに、いろいろ思いがあったのではなかろうか。

沖縄とかの仮面舞踏では、祝祭によって、空間と時間を破壊することが出来る。天皇の代替わりのときに発する言葉も同じで、それまでの時間、空間を新しいものと変えることができる。

我々が新年のお祝いをするのも一つの祝祭で、単に昨日と同じく地球が一周しただけなのに、新しい年明け、ということで気分が変わる。天皇の代替わりはそのすごいバージョンかもしれない。安藤先生は言わなかったが、たぶん、天皇の退位は気に入らないのではなかろうか。

 

漫画も面白そう。

 

死者の書(上) (ビームコミックス)