文学・文具・文化 趣味に死す!

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行き止まりの世界に生まれて を観た

 

 

 

アメリカの低所得、低学歴の青年たちのドキュメンタリー映画

 

撮影している監督自身も、継父から暴力を振るわれて大変だったらしい。

 

日本とは文化的に大分違うので、日本人はそれほど共感しないかも知れないが、この階層のアメリカ人が観たら非常に面白いのではなかろうか。

 

いや、逆だ。この階層のアメリカ人が観たら微塵も面白くない。

 

むしろ、海を隔てた我々日本人や、頭脳も人間関係も恵まれたオバマ前大統領などが観るから面白いのだろう。

 

ただ、これはある意味恐怖映画である。本当にタイトルの通りだ。行き止まりの世界なのである。

 

それは、彼らだけではなく、この映画を通して、それぞれの人間がそれぞれの行き止まりを感じるだろう。

 

行き止まり、閉塞感、そういったものを、映画というメディアで、ある形にした作品だと思う。

 

お薦め。

教育 遠野遥 を読んだ

 

 

 

芥川賞受賞後第一作、というので、最近の芥川賞作家を思い浮かべるも、誰だか分からず。ググると、ちょっと前の人だった。

 

わたしは受賞作、破局も読んでいる。

 

yoshinori-hoshi.hatenadiary.jp

 

 

今回の作品の主人公も、破局の主人公と被る所がある。作者はこういう主人公が好きなのだろうか。

 

ただ、今回は主人公の異様さよりも、設定の異様さが気にかかった。

 

舞台はどこかの学校。全寮制。外部との交流は一切無い。主人公含め生徒たちがどこから集められたのか、どういう出自なのかも一切分からない。

 

そんな閉鎖空間で、主人公含め高校生程度と思われる学生たちはセックス三昧。セックスのためにセックスをするだけではなく、学力向上のために、1日3回のオーガズムが推奨されている。

 

オーガズムに達しないと刑務官のような人たちにしょっ引かれる。

 

学力テストは、裏返してある紙に、なにが書いてあるのか当てるというもの。一体なんのためにそのテストをしているのかも不明。

 

ひょっとしたら続編があるのではないだろうか? これで終わってしまうとあまりにも不完全燃焼過ぎはしないだろうか?

 

読んでいる最中は、狂ってて面白いのであるが、読了後に作品を思い返すと、一体アレはなんだったのか? とまるで夢のような荒唐無稽さを感じざるを得ない。それでもいいという作品なのだろうか。

蜩ノ記 を観た

 

 

 

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↑前に小説を読んでレビューしている。

 

 

前回の散り椿に引き続き、葉室作品の映画化。

やはり、小説と映画では印象がかなり変わっていた。小説の方はもっとミステリー的な話だった気がしたが、映画は「THE武士道」といった感じだ。

 

沈黙が多く、映像で語る作品。

 

なんとも、役者に統一感が感じられない作品であった。岡田かっこよすぎる。堀北美しすぎる。過ぎたるはなお及ばざるごとしである。

 

良い点は散り椿のようなハチャメチャな無双がない点だろうか。

 

美しすぎる違和感を除けば、非常に没入出来る作品である。

 

四季折々を映すので日本の自然も堪能出来る。

 

お薦め名作品である。

 

あと細かい点だが、なぜ岡田君は月代を剃らないのだろうか。似合わないのだろうか? そんなことは無いと思うのだが。

 

散り椿 を観た - 文学・文具・文化 趣味に死す!