新潮十二月号が近隣の図書館で全滅で、隣町の隣町まで行って読破してきた。
これで、候補作を全て読み終えたことになる。
総評は明日書こうと思う。
ネタバレ有り。
では、本作品の講評。
小学生の女の子が主人公。その女の子の一人称で物語は進む。というか、本作品に物語というほどのストーリーはない。小学生の女の子の見る世界を描いている。
さて、この小学生、はたして何年生なのだろうか? 最初の印象ではかなり幼く感じる。
なぜか、母が務める性感マッサージ店で、母親が性的サービスをする隣のカーテンで待機する。女の子はそこで母親が何をやっているかわからず、いろいろと想像を膨らませる。
しかし、漢字の書き取りで「友達」という漢字が書けるという記述がある。この作品の時代も曖昧であるが、現在「達」は小学校4年で習う漢字である。
四年生だとしたら色々な意味でアウトではないか? 銭湯で女湯に浸かっていると、同級生の男の子がチンチンを股にはさんで入ってきたりする。これも、低学年ならギリギリセーフであるが、4年生はどん引きである。
担任の先生が性感マッサージ店に来て、母親に仕事を辞めろ、というのもリアリティに欠ける。
さらに政治家のポスターは電柱には貼っていない。電柱は東電の持ち物であって、東電が許可するはずはない。貼ったとしてもすぐに剥がされてしまう。貼ってあるとしたら民家の壁や空き地の柵である。
一番気になった点は、やはり幼女の一人称である。幼女という設定なので、バカっぽく書かなければいけないのであるが、そこから大人が透けて見えると興ざめ甚だしい。はっきり言って、大人が書いている幼女感が満載なのである。
この作品も受賞はないと思う。
1月19日追記
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