あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
なかなかラジオ計画が進まない今日この頃。
読者の皆様にとって素晴らしい年になることを祈念致します。
さてさて。
本題に入ろう。
最高だ。面白い。いい作品である。
どのくらい面白かったかというと、一度も本を閉じることなく最後まで読み終えた。
受賞してもおかしくない。まだ、他の3作品を読んでいないので分からないが、この作品は十分受賞する可能性があると思う。
ということを前提に、受賞できない場合どんな問題があるか考えてみたい。
ネタバレ注意! といってもほとんどネタはない。
あらすじ
自衛隊が北海道で謎のロシア軍と戦うという話。どうもロシアの正規軍ではないらしい。謎のロシア軍なのである。
架空戦記の小説であるが、背景は今ひとつよくわからない。ちょっと手抜きの感がある。半分くらいまでは陣地や部隊の説明。戦闘が始まるか始まらないかの緊張感を表現しているようだが、正直退屈で本を閉じそうになった。
だが、戦闘が始まるとこの小説は一変する。生き生きと、読者が戦地に赴いたように、硝煙のにおい漂う描写が永遠と続く。
結局主人公の部隊は壊滅。主人公は退却するのである。そこで、日常のラジオなどを聞いて、日常と戦場の対比、などを出そうとするが、そんな小手先のことなどどうでもいいほど戦闘が面白すぎる。
砂川氏はもともと軍関係の仕事をしていたらしく、前候補作の
戦場のレビヤタン 第160回 芥川賞候補作品 感想 レビュー - 文学・文具・文化 趣味に死す!
も戦争関係の話。だが、こちらは戦闘シーンがなく面白かった記憶がない。「ドンパチがない」と書いている。
今回の作品はちがう。ドンパチが全てだ。
おそらく編集者とこんな会話があったと予想される。
「先生、もっとアクションシーン入れたらリアルティが出るんじゃないですか」
「よっしゃ、一発アクション小説書くか!」
みたいな。
前後関係を無視して、ひたすらドンパチをやりまくる。
ゲスな喩えをするとアダルトビデオである。AV女男優が三文芝居をして、メインは情事、といった感じ。名作AVである。
本作品はメインは戦闘。その背景なんぞ戦闘の為のお膳立てに過ぎぬのだ。
いまから、この作品に対する芥川賞審査員の講評が楽しみで仕方がない。
1月19日追記
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