カント的理性の限界の話にこう言うのがある。
「ここはどこであるか?」というもの。
もちろん、みんな自分がどこにいるか即答できるはずだ。仮にスカイツリーにいるとする。スカイツリーはどこにあるか。押上げである。押上はどこにあるか。東京である。東京は日本である。日本はアジアである。アジアは地球である。地球は太陽系である。太陽系は銀河系である。銀河系は宇宙である。では、宇宙は? ビック宇宙だろうか? ならば、ビック宇宙はどこにある?
結局、理性的に考えると、自分がどこにいるかは分からないという話。
先日、四歳児と夕方散歩していた。星がちらちら出ていた。四歳児が、
「地球に元気が足りないよ♪ 集まれ仲間たち♪」
と歌っていたので、
「ここ、どこだか知ってる?」
と聞いてみた。
「日本だよ」
との意外な答え。
意地悪くカント的な質問をしてやろうと、
「日本はどこにあるか知ってる?」
「地球だよ」
「地球はどこにあるか知ってる?」
「お空だよ」
「じゃ、お空はどこにある?」
「そこだよ」
と星空を指さす。
なるほど。宇宙はすぐそこにあった。
日本や地球はここ。
宇宙はそこ。