靴で一番減りやすいのはつま先であり(レザーソールの場合)その次に減るのが踵である。
レザーソールでない場合は、踵がもっとも早く減る。
さて、踵でも変えようかと行き付けの靴屋に行ったら、「これなんかいかがですか」と出てきたのがダイナイトソールだ。なるほど。減らなそうである。早速替えてもらった。
リペアには様々な方法があるが、ダイナイトは釘止めするらしい。他のは、釘止めした跡に革を貼るのだろうか。よくわからない。
そしてこの釘、雨の日に歩いたら一発で錆びた。間違えないでもらいたいのは、わたしは錆びたからダメだ、と言っているのではない。むしろ、釘は錆びて良いのである。
大工職人が釘を打つ前に舐めるのは、釘を錆びさせて抜けなくするためである。
なにが言いたいかというと、この錆び、非常に味があるとは思わないだろうか。実に気に入ってしまった。こういう、見えない何気ないところに、ダンディズムの蘊奥があるとは思わないだろうか。
おそらく、誰にも理解されまいが。