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木曜小説 ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで

 

 

図書館でふと手にとって一気に読み終えてしまった。

非常に興味深い。

本書では主に辺境の土地のノーベル文学賞を語っている。

例えば百年の孤独ではマジックリアリズムについて、

大江健三郎では、悩む自分について、

いわゆる、文学のテーマを分析して、どのようなテーマをどのような手法を用いて書いているのか、説明を加える。

これを読んでいると、どの作品も非常に魅力的に見えてきて読みたくなってしまうから不思議である。しかし、ノーベル文学賞は基本的に難しい。サクッと読める作家はなかなかノーベル文学賞にはならない。

というのも、文学の一つの難しい点として、わかりやすいものは普遍性を持たない、という法則というか、因果関係があるのである。つまり、わかりやすいものというのは、だれが読んでも一様に捉えることが出来るわけで、そうなると、深みは当然浅くなる。浅い文学が面白くないというのはわかりやすい話で、どうしても、難解な作品こそがノーベル文学賞に相応しくなる。

だから、村上春樹がとれないのも簡単な話で、わかりやすすぎるから駄目なのだ。

その意味では浅田次郎ノーベル文学賞からは遠い作家のような気がする。

いま普通に読まれていてノーベル文学賞がとれそうな日本の作家は多和田葉子だとわたしは睨んでいるが、どうだろうか。

 

 

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)