地球の平和を守るため、ドラえもんたちと駅へ続く道を歩いていた。すると、道の向こうに仮面をつけた魔法使いが立ちふさがる。あいつはめちゃくちゃ強い。どうやったらあいつを倒せるのか。わたしはノーアイディアだ。のび太くんたちも困っているようだった。
「ここはぼくが引き受ける! のび太くんたちは先に行ってて!」
ドラえもんは真剣なまなざしで言った。
わかった、とわたしたちは回り道をして駅へと走った。
無事駅までたどり着いた。戦いの音は聞こえない。静かなものだ。わたしたちはホームのベンチに腰を下ろす。電光掲示板を見れば、電車がくるまであと4分だ。
「ドラえもん、大丈夫かな」
ともらしたわたしのつぶやきを拾うように、のび太くんが、
「大丈夫だよ。ぼくらがいないと、相当えげつない使い方するからね」
ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんも頷いていた。
確かに、彼はピンチを切り抜ける道具がいくらでもあるにもかかわらず、出し惜しみしたり、見当違いの道具を出したりしている。彼が本気になれば、それこそ世界などは赤子の手を捻るようなものであろう。そして、のび太くんたちはそのことを知っていて、冒険を楽しんでいるのである。
心配をして損をした。そんな夢を見た。