わたしは昔ラーメンの食べ歩きをしていた。ラーメンの雑誌を買って、掲載されている店に行き、評価をつける。リストがたまってきて、蘊蓄を言えるようになると、それはそれで満足感を得られるわけではある。だがある日、わたしは本当にラーメンが好きなのだろうかと自問してみた。
改めて考えると、嫌いではないがそれほど好きでもない。むしろ、白米の方が好きだったりする。ラーメンにのめり込んでいたのは、周りの影響が大きかったのかもしれない。当時はラーメンに詳しいと社会的な評価を得られた時代だったのだ。
そんなに好きではないと気がつくと、もう食う気が起きなくなり、ぱったりとやめてしまった。食べたいとも思わないのである。今ではせいぜい年に2回か3回程度である。それも、必ずくるまやラーメンの味噌ラーメンである。そう考えると、くるまやラーメンの味噌ラーメンは好きなのかもしれない。
さて、わたしは珈琲が好きである。2,3日飲まないでいるともう我慢できない。いや、朝から昼まで飲まないでいると、もう恋しくなる。単なるカフェイン中毒かもしれないが。
そんなわたしが前から注目していたのがステンレスフィルターである。これならば、ペーパードリップよりも珈琲本来の味が味わえるのではないかと考えた。フレンチプレスのような雑味もなく。
結果はフレンチプレスであった。二種類の豆を試したが、どちらの場合もペーパードリップの方が美味かった。不思議なことにペーパードリップの方が豆の特性が表れる。ステンレスフィルターは雑味が表に出てきて、珈琲のうまみを隠してしまっている、そんな感じだ。
あと、味が薄い。今回同量の豆と湯でいれたわけであるが、ステンレスフィルターの方が薄味に感じた。ペーパーの方がしっかりとした濃さだ。ゆえに、ステンレスフィルターで入れる場合は、豆を少し多めにした方がいいかもしれない。
もちろん、すべてのステンレスフィルターを確認したわけではないが、構造上その傾向があるものと思われる。
安かった。なんと持ち運びようらしい。
ぴったり同じ量を計る。
写真だとわかりにくいが、ステンレスフィルターの方は表面に油膜が出来る。
フレンチプレス的なかすが残る。