最近は自動販売機にまでAIが組み込まれている。駅の自動販売機で富良野ラベンダーティーが飲みたいなと思いながら金を入れたら、あなたへのおすすめというのが突然表示された。
自動販売機の上の所にはカメラが設置されている。私はそのカメラが、私の目線を追ってオススメを決めたのだと思った。だから次には違うのに目線をずっと合わせながら金を入れてみた。しかし、今度オススメが表示されたのは特保のお茶とコーヒーだった。
それから、何度やってみても特保のお茶とコーヒーが表示される。なんだ、結局適当に表示されてるだけじゃないか。
と思っていたところへ他の客が来て自動販売機に金を入れた。どうせオススメとして特保とコーヒーが表示されるのだろうと思っていたら、全然違うのが表示された。AI自動販売機は人をちゃんと見分けているのである。その客は、結局お勧めの商品ではなくスプライトを買っていたが。
驚くべきことである。再び私がその自動販売機に金を入れると、オススメはやっぱり特保とコーヒーになった。
AI自動販売機は、私が既に富良野ラベンダーティー思っているのわかっているのである。そして赤外線かX線か知らないが、私の体の中を透視して、私にオススメを勧めているのだ。驚くと同時に、特保が必要なほど健康に難があるのかと軽いショックを受けた。