芥川賞候補作のschoolgirlがよかったので、文學界新人賞の悪い音楽を読んでみた。
つまらない作品ではなかったが、schoolgirlのようなパンチはなかった。
話のネタと言うよりも、文章にパンチがない。次々打撃を食らわせてくるような文章ではなく、むしろ淡々と書かれている。
あらすじは、若い中学校音楽教師が教職に疲れる話。もともと、才能が豊かで、真面目に音楽に取り組んでいるので、教師などという仕事は向かないのだ。
それなのに、父親(著名音楽家)との売り言葉に買い言葉で教師になってしまったという。
しかし、笑顔の練習などをして世間への迎合も試みる。そういった精神的揺れも描かれている、ような気がした。
どことなく、schoolgirlの主人公と似ているところがある。虚無的というか、自分が興味のあること以外には一線を引いてしまっているような。
後何作か書いたら、傑作が誕生するような気がするのはわたしだけだろうか。うーん、返す返すも芥川に落ちたのが痛い。
おそらく、次々回あたりにまたノミネートされるのだろうが、その時の作品がクソみたいな作品で受賞してしまうと、逆に後が続かなくなるのではないだろうか。