文学・文具・文化 趣味に死す!

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安楽死法制化についての考察

最近マル劇は安倍嫌いが高じて左翼チックになってしまって、出演者も反安倍ばかりで下らない番組に成り下がっていたが、この回は面白かった。

 

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橳島(ぬでじま)氏は安楽死の法制化に反対する。

 

わたしは安楽死の法制化に賛成だった。人は死ぬ権利を有すると思っているからだ。ただ、その考えは浅かった。

 

氏の見解は興味深かった。なぜ反対なのか。

 

氏は、「人は生きるべきである。人は誰でも生を望む」という考えは一種の全体主義であると警鐘をならす。

 

氏は言う。人間には死ぬ自由がある。

そして、死なせてくれと頼む自由もある。

しかし、それを実行させる権利まではない。

なぜなら、頼まれた側には断る権利がある。

 

ここでもし、安楽死が法制化されたら、それを実行させる権利を手に入れると言うことになる。自分を殺すことを誰かに実行させる権利を手に入れることになる。頼まれた側の断る権利が失われると言うことになる。

 

というロジックである。興味深い視点である。

 

その他にも、安楽死について、西欧と日本ではその歴史的背景が違う。西欧では社会のために社会に不必要な人間を死なせることが安楽死であり、主にナチスドイツが実行していたことなので、近年までその思想はタブーだった。ゆえに、西欧で安楽死が横行していることを氏は「戦後価値観の転換」と呼ぶ。

 

一方日本の安楽死は、我々が現在想定するような、疾病の苦しみを終わらすために安楽死である。極楽まくら落とし図である。

 

極楽まくらおとし図 深沢七郎 - 文学・文具・文化 趣味に死す!