
日本文学100年の名作第8巻1984-1993 薄情くじら (新潮文庫)
- 作者: 池内紀,松田哲夫,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/03/28
- メディア: 文庫
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↑これに収録。
北村薫。男である。現在68才である。
「ものがたり」30枚くらいの短編だろうか。しかし、選ばれた理由はよく分かる。ある夫婦のところに、妻の妹が居候する。その居候と夫の会話だけの作品。しかも、その会話の内容は、妹が作ったという時代劇のシナリオについて。
殿に手を付けられそうになった女が、姉の嫁いだ家に逃げてくるという話。
ここで謎なのが、この妹の時代劇は、妹本人とリンクしているのかいないのか。しているようで、していないような、そんなもやもや感が夫と読者に伝わってくる。こういう小説の書き方があるのかと勉強になる。