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木曜小説 出口 尾辻克彦  掌のなかの海 開高健 感想 レビュー

 

 

↑両方ともこれに入っている。

 

出口 尾辻克彦

この作品をどう評すればなやむ。出口とは肛門のことで、うんこが漏れそうな、否、うんこがもれそうで、耐えて耐えて、結局漏らす話である。

筆者は、この年齢になるまでうんこを漏らしたことがないらしく、相当ショックらしいが、べつに結構みんな普通にブリブリ漏らしているので、そんなにセンセーショナルな作品ではない。

あと、主人公は固いうんこを漏らしたらしいが、普通漏らすのは下痢である。軟便である。その当たりにも感情移入できぬ問題がある。ただ、この作品をこのように真面目に評していいものかどうか、その時点で作者の思うつぼのような気もしないではない。

 

掌のなかの海 開高健

開高健モンブラン149の開高モデルで有名なので名前は知っていたが、作品を読むのは初めてである。

文章はべらぼうに上手い。文章の見本のような文章だ。とくに美しさとか、なまめかしさとかはないが、読みやすいし、簡潔だし、少ない文字数の中に情報量が多い。

本作品はエッセイのような感じだ。創作との境目がわからない。主人公が酒場に通っていると、そこに面白い年寄りがいる、という話である。身寄りのない年寄りの悲哀が伝わってくる。