最近の背広はほとんど濃紺ばかりである。茶やライトグレーを着ている人は少ない。そもそも、リクルートスーツなるものが、紺無地か黒無地で、その延長線上にスーツを捉えてしまっているのかもしれない。
先日、ちょうどサラリーマンが退社する時間帯、新宿駅からオフィス街へ向けて地下通路を歩いた。サラリーマン雲霞の如くこちらへ向かってくるので、そのネクタイを注視してみた。まだノーネクタイもいるが、結構ネクタイを締めていた。
年配者は様々なネクタイをしているのであるが、若者の多くが紺無地のネクタイを締めていたことに驚いた。または、濃い臙脂色も多かった。あとは無難なストライプ。派手な柄物を締めている若者はまずいない。沈む色のネクタイを皆締めていた。TPOがあるだろうから、誰も彼も派手なネクタイは出来ないだろうか、みんながみんな地味なネクタイを締めては、街全体が地味になる。
ネクタイは男の装いの中では自由の範囲が広いはずだ。もっと、冒険的なネクタイを締めてもいいと思う。
年配者のネクタイのバリエーションが多いのは、おそらく、自分で選ぶのではなく贈答品として入手しているからかもしれない。派手なネクタイは難しいと言えば難しい。なるほど、上手に合わせているものは十指に満たなかった。
↑こんな感じの暗いやつばかり。
しかし実際は紺でも華やかに締めることは出来るのである。それにはディンプルや光沢や盛り方やノットとカラーの調和など、これも難しいのである。
じゃぁ、なにを締めればいいの? となる。わたしのお勧めはパステルカラーをあしらったネクタイなどが重宝すると考える。淡いピンクとかブルーとか。
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ペイズリーも一本欲しい。いや、三本欲しい。慣れないとゾウリムシっぽくていやかもしれないが、人体は曲線であり、ペイズリーの曲線は人体に装着することにより自然さを得られるのである。嘘だと思ったら締めてみて欲しい。
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ここまで書いてふと思ったが、ストライプ×ストライプを避けよという法則を忠実に守るがあまり、無地のネクタイが多いのではなかろうか。ワイシャツかスーツ、どちらかがストライプになることは多い。そして、ストライプのネクタイを避ける。本来は柄物、ドット、小紋、ペイズリーなどの選択肢があるのだが、あまりに選択肢が多いがために無地を締める。うーむ。やはりペイズリーがお勧めだ。