最近、またアクセス数が上がってきた。読まれているのは男市に関するブログである。
どうも近々男市が開催されるのであろう。このブログがそんなに男市関係でひっかかるなら、もっとまじめにレポートしてくるかな。
筋トレ再開。そのことはまた別に書こう。
さて本題。
一葉の絵のような掌編である。20枚くらいだろうか。茗荷谷の猫の中の一遍。舞台は戦後間もない東京で、まだ電報が使われている時代である。わたしは銀座も浅草も上野も知っているので、これを読んでなんとなく雰囲気をつかめる。銀座は大分様変わりしただろうが、上野の不忍池周辺などは変わっていないだろう。
話の内容は、母親が娘夫婦の家に尋ねてくる。娘はなんでも完璧にこなす母親を尊敬していたが、そんな母親も寄る年波には勝てず、娘はそのことにショックを隠せないのだ。母親もそのことがわかっているのだろう、母と娘が喧嘩したシーンはこのようにまとめられている。
【道の真ん中で、幼女がふたり、哭いていた。】
文体も美しくよどみがない。古い時代を書いたものであるが、現代性もある。現代人が失われた過去、ちょっと振り返ればそこにあった過去を懐かしむという現代性である。100年の名作にふさわしい。
↓これに収められている。
日本文学100年の名作第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所 (新潮文庫)
- 作者: 池内紀,松田哲夫,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/05/28
- メディア: 文庫
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