文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

芸術はなんのためにあるのか

最近、音楽をよく聴いている。芸術などは腹も膨れぬ無用の長物である、という意見は昔からあり、無用の長物と言わないまでも、なんのためにあるのかよく分からない、という人は多いかも知れない。
 
芸術がなんのためにあるのかという問いは、人生がなんのためにあるのかと同じくらい難しい問いである。人生のために芸術がなぜあるのかという問いならば、わたしは最近こんな風に思っている。
 
音楽にしろ小説にしろ、それに接している間は現実と異なる世界にいることが出来る。とくに、音楽はまさに異次元にいる感覚となる。しかし、目の前に広がる世界は現実の延長、いつもの風景なのだ。すると、異次元にいる自分が、幽体離脱のように 、現実の景色を眺めているような、そんな感覚に陥る。異次元から、この現実について思考する。その瞬間、普段の現実世界こそが、まさに異次元であるように感じるのだ。
 
だから、芸術は好きなのだ。音楽が好きなのだ。わたしはこの世が、この世だけとは思っていない。異次元が存在していると思っている。その異次元を感じる瞬間こそが芸術だ。
 
もしこの世に、この世しかなく、この世がすべてであったら、それは悲しいではないか。だから、それを認めないために芸術はあるのではなかろうか。