インターネット空間と現実の関わり、アバターと本人の関係など、現代的ではあるが、少々見飽きた設定。斬新なのは主人公たちの地域が四国の田舎ということだろうか。
細田作品は田舎が舞台であることが多いような気がする。
この作品の魅力はなんと言っても映像と音楽だろう。圧巻である。ストーリーはこれも細田作品らしく、なんとも煮え切らない内容。
設定がかなり広大なので、そもそも2時間の尺に収めるのは難しかったのではなかろうか。アニメにして、背景をもっと掘り下げれば(そんなことが出来るのなら)感情移入出来る作品になったかもしれない。
Uの宣伝文句で「現実はやり直せない。でもUはやり直せる」と謳う。しかし、この作品のなかで、Uでのやり直しは出てこない。なぞ。
ネタバレあり
この作品の牽引力は、「竜は誰だ?」ということだとおもう。しのぶ君だとミスディレクションをかけて置いて、実はよくわからんケイ君という中坊でした、でガッカリ。もうちょっと驚かせて欲しかった。
わたしてきにジャスティス(という名の悪役)の親玉はケイ君のお父さんのような気がする。お父さんは仮想世界で竜に負けまくってイライラしてケイ君を虐待している、という設定はないのだろうか?
Amazonレビューの星ひとつを見てもらえれば、如何にシナリオが駄目かはこれでもかと書いてあるのでここでは詳述しない。
ただ、音楽と映像はガチで素晴らしかったのではないだろうか。それだけで、十分観る価値はあると思う。
中村佳穂という歌手を初めて知ったが、本当に歌が上手い。この歌手を起用した監督は慧眼である。