人生がきわめて悩み多く、不可思議で苦しいものであるのは、心や精神が脆弱だからであろうか、それとも、世界そのものが、悩みをもたらすものを内包した存在だからだろうか。
だが、人生は喜びも多く、それは心が楽観的だからだろうか、それとも、世界は喜びを内包した存在だからだろうか。
不思議なもので、苦しみが大きいほど、喜びの味わいも深く、自然はより美しく、人々の優しさを感じる。寒風の日が続くと、柔らかく暖かい日差しだけで有り難く思えてくるものである。
神はとてつもなく面倒くさい人間というものを創ったのか、それとも、人間にとって面倒くさい世界を創ったのか。
美しい日本の私が図書館に置いてあったので借りた。
川端は、一休の自殺願望や芥川の自殺の例を出して、死を思ってこそ世界が綺麗になる、ようなことを言って、しかし、自殺には賛同できかねる、とも述べている。そんな川端も4年後自殺する。
- 作者: 川端康成,エドワード.G・サイデンステッカ-
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1969/03/16
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