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楊貴妃伝 井上靖 を読んだ。感想 レビュー

 

楊貴妃伝 (講談社文庫 い 5-2)

楊貴妃伝 (講談社文庫 い 5-2)

  • 作者:井上 靖
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1972/09/01
  • メディア: 文庫
 

 

 

唐の玄宗の時代。安禄山の乱により非業の死を遂げる。絶世の美女とうたわれる楊貴妃の入内から死までを描く作品。

 

面白すぎる史実なので、つまらないわけがないのであるが、この作品はちょっと小説としては物足りないと感じた。

 

なんとなく、小説ではなくウィキペディアを読んでいるような気分になるのだ。おそらく、井上氏は史実を史実として書いているからだろうか、どうも盛り上がりが足りないというか、感情移入できないというか、登場人物に生気が感じられない。

 

いや、面白いのである。面白いのであるがなにかが足りない。同じ中国史ものでも、浅田次郎吉川英治にくらべて、なにかが足りないのである。

 

我々が海外旅行に行って、海外の料理に味足りなさを感じる、そんななにかが足りないのである。