以前、誰かレンタルビデオ屋で新作を借りる奴いるのか? という投稿をした。自分は滅多に新作を借りることはないと言ったが、先日「かぐや姫の物語」を借りた。新作は風立ちぬ以来である。二回連続でジブリだ。
一泊二日250円なので、旧作50円に比べるとかなり高い。五倍である。それでも、よくよく考えればそんなに高いものではないが。むしろ、一泊二日で観なければいけない方が大変だ。
かぐや姫の物語は面白かった。ハリウッド的物語の展開はないが、心理描写が独特のタッチの絵と相まって、引き込まれるものがある。ネタバレだが、具体的には花見の帰りに偶然、数年ぶりにステマルと再会する。再会に台詞はなにもない。数秒間、沈黙して向き合うだけ。あのシーンに言葉はいらない。
実は、他にも台詞なんかいらないシーンが山のようにある。残念ながら結構喋っていたが。それでも、他の作品に比べると、台詞の重みが効いていて自分的には好感が持てた。
題材がかぐや姫だというところもいい。実は自分も以前かぐや姫を劇中劇にした小説を書いたことがある。というか、まだ細部をいじくっているので執筆中ということになるのだろうが。
自分の作品の場合は、天の羽衣をまとって記憶を失うことは幸せか、もしくは、たとえつらい別れであったとしても、しっかりと記憶にとどめつらさを味わった方がいいのかどうか、という命題で書いた。この作品はいずれ発表したい作品のうちの一つ。