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田山花袋の蒲団を読んだ 感想 レビュー

 

蒲団

蒲団

 

 

自然主義文学の代表のようにいわれている作品である。だが、もし、なにも予備知識なしでこの作品を読んだらどのように感じるだろうか。とくに、なにも変なものは感じず、純粋に面白い小説だと思うのではなかろうか。多分、この作品は好き嫌いなく、たいていの人が面白いと感じると思う。
 
教科書にも載っている? 有名な作品であるからあらすじはご存じかも知れない。小説家である主人公のもとに、若くて美しい女が入門してくる。小説家は妻帯者でありながらその女にべた惚れするのであるが、師であるべく振る舞おうとすれば、なかなか距離を埋めることが出来ない。師である立場を捨てるか、それとも、あくまで師として振る舞い世間体を守るか、煩悶につぐ煩悶になやまされる。そうこうしているうちに女には男が出来てしまって……。
 
と先生の胸の内を説明しながら物語は進むのであるが、その筆致は実に滑稽、かつ、同情を誘うように書かれている。もはや古典であり、タイトルも「蒲団」だし、作者名も田山花袋、と堅苦しい外見であるが、中身は単なる恋愛諧謔小説、所謂ラブコメに他ならない。読めば、この作品がどうしてバカ受けしたのかは容易に理解できる。
 

 

蒲団・一兵卒 (岩波文庫)

蒲団・一兵卒 (岩波文庫)

 

 

れいわ新撰組と三橋貴明の椅子。

れいわ新撰組が予想以上の票を取ったのは記憶に新しい。

 

わたしは三橋貴明氏の「金なんてナンボでも刷れるぜ」理論が好きなので、MMTのれいわは三橋氏に似ているなぁ、と漠然と思っていたところ、先日、三橋氏と山本氏の対談を見つけた。

 

www.youtube.com

 

動画の中身はいつもの三橋節なので、特に目新しいことはないのであるが、問題はこの椅子である。

 

これは、オーレ・ヴァンシャーのow149、通称コロニアルチェアである。

 

カール・ハンセン&サンが作っている。

 

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www.carlhansen.com

 

一脚30万から40万ほどする椅子である。二脚ずでんと置いている。

この椅子は匠大塚でも扱っていて、座らせてもらったが、じつに良い座り心地である。購入候補の筆頭に入っている。クッションが良いのだ。座面が籐だからかも知れない。

 

三橋事務所、恐るべし。 

 

世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方

世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方

 

 

2019夏の文学教室 赤坂先生、象徴天皇の話。

赤坂先生は箱の中の天皇について。

 

箱の中の天皇

箱の中の天皇

 

 

 

 箱の中の天皇自体が、非常に論文的な作品なので、今回の講義でも、その内容をなぞっている感じだった。

「箱の中の天皇」の感想はこちら。

箱の中の天皇 赤坂真理 を読んだ 感想 レビュー - 文学・文具・文化 趣味に死す!

 

 

東京プリズン (河出文庫)

東京プリズン (河出文庫)

 

 東京プリズンは読んでいないが、こちらも天皇を題材にした小説。

 

おそらく、もう一作なにか書かれるような気がした。そうすると、天皇三部作になる。

 

御本人は艶やかな着物姿で登壇された。非常にゆっくりと喋る方であった。

 

赤坂先生も象徴天皇制アメリカ製でそれは無理なのではないか、という感を抱いているように感じた。

 

象徴が象徴のつとめを果たすってなに? という問いを今回もされていた。

 

これは確かにそうで、生きている人間を象徴にすれば、その人間が「おれは象徴とはこういうものだと考える!」となる時点で、それは一体なにを象徴しているのだ? という矛盾が生まれる。

 

赤坂先生的に言えば「これが日本国と国民の象徴のあり方です」と象徴に先に言われてしまうって、国民としてどうなの? という問題。

 

だからか、日本人は外に対して天皇を象徴に使おうとはしない。外に対して使う日本の象徴は「サムライ」である。しかし、これはサムライが現存しない過去の存在だからこそ象徴たり得るのであろう。