半袖のドレスシャツは存在しない。半袖のシャツというのは暑いからという理由で袖を切り落とされた哀れなシャツである。
と落合さんは言っていた。
最近ノーネクタイが増えて、半袖のワイシャツが増えて、クールビズというだらしのない格好が増えたのは暑いからではない。
暑さはだらしなさの免罪符に使われているだけである。
ジャケットを着ていれば見えないからいいだろう、などという考えは、見えないからいいだろうとオンライミーティングでトラウザーズを纏わないのと同じで、身だしなみを外見のみと捉え、精神は空っぽであると宣言しているにすぎない。
ハリボテの身だしなみはどこへ行き着くのだろうか。揺り戻しはくるのだろうか。
というのがこの夏の感想である。