今週のお題「理想の老後」
老後というものは存在するのだろうか。
老後というのは、定年制があった時代と、引退できる地位と資産がある人間だけではなかろうか。
働けなくなったり、ボケたり、寝たきりになった老人の生活を、老後と呼んでいいのかどうか、わたしにはよく分からない。
すでに、多くの年寄りが年金だけでは暮らせずに働いているし、また、動けるうちは働いた方が間違いなく幸せである。たまに、良い企業リタイアし暇を持てあましている年寄りを見るが悲惨だ。
人間、やることがないことほど悲しいことはない。
さて、そう考えると、わたしには老後など存在しないだろう。生涯現役と言えば格好いいかも知れないが、一生同じようなことをするだけかもしれない。
そんな夢も希望もない話ではつまらないので、理想の老後を語ろう。
やはり、金と健康。これは必需である。
金もない。健康もない。そんな老後はお断りである。
次に必要なのは友人だろうか。ゆえに、友人にも金と健康を持っていてもらわなければならない。
年の離れた友達も悪くはない。忘年の友という言葉もある。だが、これはどうも想像できない。やはり友人とはある程度年が近いもののほうがいろいろとわかり合えるのではなかろうか。
で、金、暇、友人、健康、を兼ね備えて老境を迎えたら、一体わたしはなにをするだろうか。やはり、不老不死を望むのではなかろうか。秦の始皇帝は好例であるが、いつの時代も不老不死は求められるべきものである。
生きていて、なにがしたいというわけではない。ただ、死にたくないだけなのである。それはわたしがまだ若い証拠だろうか。
わたしが真の年寄りになれば、金もあり、健康もあり、友人もあるにもかかわらず、生きることを望まない境地に至るのだろうか。
それはそれで、一種の悟りなのかもしれない。