今日行けるかなぁ、男市。相変わらずこの時期は男市の検索で引っかかってアクセス数が伸びる。ちょっとその期待に応えたい気もするのである。行きたいなぁ。

日本文学100年の名作第9巻1994-2003 アイロンのある風景 (新潮文庫)
- 作者: 池内紀,松田哲夫,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/04/30
- メディア: 文庫
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↑これに収録されている。
さやさや 川上弘美
メザキさんとサクラさんの不思議な恋の物語である。恋は普通容姿から入ったり、性格から入ったりするが、最初あまり好きではなく、見た目も意味不明なメザキさんとの恋の瞬間が始まるような、淡いトーンで全体が進んでいく。
話の内容は蝦蛄を食ったあと、夜の道を歩くという、とくに起承転結はない。サクラさんはメザキさんと歩きながら、不思議だった叔父を思い出す。突拍子のない叔父とメザキさんがかさなる。
サクラさんは放尿しながら夜が明けていく姿と、降り続ける雨に寂しさを感じるのだ。このメザキさんとサクラさんの雨の夜のような世界を、我々は生きているのかも知れない。
ホーム・パーティー 新津きよみ
思わず唸ってしまう上手さである。セレブの妻=容子がホームパーティーにセレブたちを招く。しかし、容子は旦那の後輩と浮気をした。その後輩の妻もパーティーに来る。すこし、緊張するが証拠はなにも残していないはず。
容子はこの日もお気に入りの真珠のネックレスをしていた。そのネックレスが、不倫の最中に切れてしまう。その描写もさりげなく書かれている。
しかし、後輩の妻はじつは手品師で、拙い手品を見せるが、なんと持ってきたケーキの中に、一つ見つからなかった真珠を入れて、そのホールケーキを容子が切って、真珠が容子に当たるという、そんな手品をして見せた。
まるで、小説の手品を見せられている気分になる。この話の書きぶり、構成は見事としか言いようがない。