もし、スーツスタイルを作りたいと思うなら、ジャストサイズのシャツを手に入れること。これは宮崎氏が強調しているところである。スーツを購うにあたり、ジャストサイズのシャツを着ていなければ、ジャストサイズのスーツが選べないからである。シャツの上にジャケットを羽織る。シャツを着てからジャケットを着る。だれも免れることのできない順序である。
色は薄い青。綿100%。襟はワイド。シングルカフ、ラウンド。細身になるようにサイドにダーツを入れ、首回りのサイズを店員は39と言ったが、きつめにするために38と主張した。
わたしは右手と左手の長さが違う。右手の方が長いのである。だから、右の袖だけ1センチ伸ばして欲しいと頼んだが、1センチでは長すぎる、と店員に指摘された。こちらは店員の助言に従い同じ長さにした。
前立ては裏前立てとした。よりドレッシーにするためだ。ならば当然ポケットはなしのはずである。だが、敢えてラウンドのポケットを付けた。ペンを差すためだ。小説家の矜持である。例えクラシックスタイルを追求するにしても自らのアイデンティティを失うのは避ける。自分がなにを求めているのかを常に知ることは、自分がなにを着るべきかという問の回答となる。
イージーオーダー、パターンオーダーは着心地が違う。わたしが一般的な体型から逸脱しているせいかもしれないが、肩、胸、腹、腰を計り誂えたものが既製のものと違うのは当然である。既製のシャツはどうしてもダボつくのである。既製品は最大公約数で作る。最大公約数で作られたものは、偶々、最大公約数と同じ体型をしている人だけジャストサイズとなる。

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