落合先生のご著書でシャツの記述は気になるところだ。「男」お洒落指南では以下のような記述がある。
トップボタンから2番目のボタンまでは7センチ、それ以下のボタン間隔は9センチで、ボタン総計は7個である。(「男」お洒落指南204頁)
一方、新版・男の服装術ではこう記されている。
クラシックなドレスシャツのフロントボタンは7個である。一番上と2番目のボタンの間隔は6センチ、2番めと3番めの間隔は7センチ、以降3番めのボタンまでの間隔は7センチだ。(新版・男の服装術165頁)
男の服装術の方は明らかに誤植だと思われる。3番目までのボタンの間隔をすでに論じているのに「以降3番めのボタンまでの~」の意味が分からない。かりに、3番目以降のボタンの間隔が7センチと解釈すると、6+7×5=41センチしかないことになる。つんつるてんもいいところである。
「男」お洒落指南の方に従えば、7+9×5=52センチである。極めて一般的なシャツだ。
奇しくもわたしと落合先生は同じ身長である。わたしが山形屋にス・ミズーラ(パターンオーダー)したシャツのボタン総数は8個で、間隔はトップから第2までが6センチ。以降8.5センチである。式にしてみれば、6+8.5×6=57センチである。
イオンで購った3,000円のシャツはボタン総数7個で、トップから第2までが7センチ。以降8.5センチ間隔であった。
間隔の問題のせいか、落合先生はボタン感覚が不思議な方なのだ。これは明らかに誤植であろうが、「男」お洒落指南の3頁には以下のような記述がある。
シャツで云えば(中略)ボタン間隔はトップボタンから2つめのボタンまでが90ミリ、そのほかは70ミリ間隔……
次回は山形屋でス・ミズーラしたシャツについて書きたいと思う。