五歳児は面白い言葉をよく使う。先日も、自動車の交通量が多い通りを歩いていて、「車多いから気をつけろよ」と注意したら、「車がうようよいるね」と言う。
「車がうようよいる」という表現を初めて聞いた。うようよの辞書的定義は
生物が気味悪いほど数多く存在するさま。「いも虫が―いる」(広辞苑第五版)
であった。
うようよという語幹から、蠢いているもの、生き物であると大人は思っている。しかし、子どもにとっては生物と機械の違いなどはない。自動車も立派な生き物で、何台も連なって行き交っていれば、うようよいると感じてもおかしくない。
それと、うようよには「気味が悪いほど」という否定的な感情が入っている。交通量の多い自動車は、気味悪くはないが、歩行者にとっては不快ではある。その意味でも、あながち間違いではないのかもしれない。