(100日連続更新15日目)
今回の件が民主党とのつながりがあるNPOの代表とはいえ、たかだか20歳の学生である。サイトの作り方が上手かったか、話題性があったのか知らないが、これを取り上げるメディアにこそ驚くべきである。
おそらくメディアが取り上げなければ、誰もNPOの代表が小4になりすまして変なサイトを作ったことなど知らなかっただろう。もちろん、自分も知らなかったろう。
基本的にネットでは実名を出さないのが普通だ。そして、身分を偽って他のユーザーを騙すいわゆる「釣り」というのはそこかしこで行われている。ほとんどの釣りには悪意はないし、釣られたところで騙されるだけだから、それもネットの楽しみの一つとしてスルーしているのが通常ではなかろうか。
今回は首相が「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為」と自らのフェイスブックで言及するなど、取るに足らないネットのなりすましに反応する。
メディアも首相も、また、それを容認する社会も、ネットに対するリテラシーが足りなのではなかろうかと危惧する。
ネットに対するリテラシーとは、例えば小4が書いたとされたものでも、90歳のお爺さんが書いたとされたものでも、その前提は常に半信半疑であるという認識である。その前提に便乗して楽しむも良し、気に入らなければ関わらなければ良いだけだ。
極論すると、ネットの面白いところは、小4を名乗る大学生が書いた質問に、ノーベル政治学賞受賞者を名乗る中学生が答えることが可であるプラットフォームではなかろうか。
ダイアルアップからネットを楽しんできた自分はこのデタラメさ加減が好きである。
大学生が小4を名乗るのがいけないのか、大新聞が堂々と紙面にデタラメを書くのがいけないのか、党首討論で出来もしない定数削減を約束するのがいけないのか、どれも同じレベルのような気がする。