GWはなぜか忙しくてろくにUPも出来ない。暇なはずなのに忙しい。矛盾である。
さておき、
文字のふるさとを読みながら、気になった漢字を片っ端からこのサイトで検索にかけるのがちょっとしたマイブームである。
2021年度ベストお薦めサイトNo1は間違いなくこのサイトだ!
インターネットの功罪は凄まじいものがあるが、このサイトは功である。
中国のサイトなので調べたことは全て中国の秘密警察に筒抜けである。「天」とか「安」とか「門」などは検索しない方が無難である。
さて、11月号は「止」から始まる。
止の古代文字は以下の通り。
ザ・足跡、まちがえた、ジ・足跡である。
その昔、「止まることが少ないから歩くなんだ」などと意味不明なことを言っていた御仁がいた。
歩は足跡を二つ並べた形だ。
旧字や草書をみると分かりやすいかも知れない。止まるのが少ないわけではないのだ。
止は字統によると「あしあとの形である歩の上半」と書いてある。
さて、「正」は文字のふるさとでも指摘されていたが、「一」をもって「止める」ゆえに正しい、のではない。
正の一画目「一」はもともと□とか●で表されていた。
□とか●は城や邑を意味するらしい。
つまり、「正」は城や邑に進軍する。「征」と「正」は同じ意味だったとする。
だが、足も膝小僧に足の形が付いている。古代文字で見ると「足」も「正」もほとんど同じである。見分けがつかない。付いたとしても文脈で判断するしかない。
武も「戈を止める」のではなく、「戈を持って歩む」という意味になるらしい。
わたしはどうもこの説明に納得がいかなかった。
もし「正」の「止」が止まるであれば、城や邑に止まる、わけであって、攻めるとはならないのではないか。
もう一度字統の「止」の項
を丁寧に読んでいると、「之・止を草木の象とするが草木とは関係ない」と書かれている。
ピンときた。止の篆書体、赤丸の字、どこかで見たことはないだろうか?
よく落款印などで目にする。
そう。「之」である。
之の古代字を調べると……、
之の古代字はほとんど止の古代字と同じである。
字統の「之」を調べると、なんと「あしあとの形で歩の上半にあたる」と「止」の項と同一のことが書いてあるではないか。
「之」はご存じの通り「行く」の意味がある。
ならば正は城や邑に行く、武は戈を持っていく、とすんなり解釈できる。
おそらく、古代では「止」と「之」は文脈に於いて判断されていたのではないだろうか。
現在でも「辛い」などは、文脈に於いて「つらい」「からい」を読み分けている。
どこでどう入れ替わってしまったかは分からないが、「止」と「之」の誤読の結果が「正」や「武」になってしまったとは考えられないだろうか。
あしあとを使った漢字は他にもある。足の向きが違うのが面白い。
違うはもともと、なめしがわ=韋、である。
調べたら、あしあとが二つから四つまで出て来た。
GW最後だが、ほぼ1日漢字で遊んで終わった。