いろいろと物議を醸している賺蘭亭であるが、わたしは一点気になっていることがあった。
賺蘭亭とは、弁才が所有していた王羲之の蘭亭序を太宗の密命を帯びた蕭翼が弁才を騙して奪い取るという話である。
蘭亭記は全文が読めるっぽい。中国語だが。
さて、太宗は蘭亭序を手に入れるために弁才と交渉するが、弁才は戦乱で失われたという。
太宗はなぜ兵を送って没収しなかったのか。
一節によると、そんな強権を発動してしまうと人心を失ってしまうから、だという。
じゃぁ、部下を送って騙し取るのも十分に人心を失いそうなものだが。
なにかこの話はうらがありそうなのだ。
だいたい、蘭亭序だけをもって墓に入るというのも考えてみれば不思議ではないか。
なので、いま蘭亭始末記を解読しているのだが、なかなか中国語は難しくて。でも、これがドイツ語とかロシア語だったら完全にお手上げなので、まだましということで。