今週のお題「わたしの好きな歌」
今一番気に入って聞いているのはチャックベリーである。
チャックの曲はギターを手にした高校の頃から大好きでことあるごとに聞いている。
最近また嵌まりだして、ES335が欲しい今日この頃である。
チャックはバリトーン・スイッチがついた335とはちょっと違うモデルであるが、わたしはシンプルなのが欲しいので335がちょうどいい。
ただ、ギターは高い。なんでそんな値段がするのだと言うほど高い。まるで、高いことが所有欲を満たす目的ではないのかというほど高い。なので、買わない確率が高いが。
問題は歌である。チャックベリーの曲はつい最近とある余興でやらせてもらった。ギターはそれほど難しくないが、歌が難しい。なんて言ってるか分からない。スクリプトと照らし合わせて聞いても全然違うふうに聞こえる。なので、練習する時間も無かったしカタカナで起こして歌った。他の英語アーティストの場合そのようなことはないのであるが。
曲の魅力は単純なところである。ジャニビグーなどはたんなる12小節ブルースである。メイビリーンなどはほぼBフラットメジャーのコード一発である。
故に、単に演奏しただけでは面白くない。ヤクでラリッたみたいに歌って踊って弾かなければまさに単なる「12小節ブルース」であり、「Bフラットメジャーのコードが鳴ってる」だけ、である。
最近は芸能人の違法行為が問題になっているが、チャックに比べたらヒヨコどころか卵になる前のタンパク質だ。まず最初は自動車泥棒で捕まる。駐まってる車を盗んだんじゃない。拳銃を突きつけて強奪している。
次は14才のメキシコ人少女を連れ回して売春の強要。
金持ちになってからはしっかりと脱税。
ロックの創始者はやっぱり桁違いだ。
ただ、日本ではチャックベリーの名はそれほど知られていない。とくに、高齢者に知られていない。日本の高齢者は未だに演歌である。
チャックは2017年に死んだが、生きていれば92才である。大正15年生まれである。80くらいの爺さんが青春を送っていた頃、チャックはヒットを飛ばしているのである。
北島三郎よりちょうど10才年上である。もし、もう10年早く戦争に負けていれば、北島三郎がエレキを抱えてリズム&ブルースを歌っていた可能性は高い。
チャックの魅力はなんといっても歌とギターが渾然一体となって鳴り響いているところである。ギタリストでなければ絶対になし得ない境地である。歌のためにギターを弾いているのでもなければ、ギターのために歌っているのでもない。その調和が、絶妙な調べとして表出されるのである。