スクリューキャップとはペットボトルのふたみたいなものだ。ワインのは鉄製だが。コルクは言わずと知れたコルク。
昔ある人が言っていた。
「スクリューキャップのワインは葡萄ジュースにアルコールを混ぜただけ。本物のワインは発酵するから、コルクで呼吸させなければならない」
自分はこれをずっと信じていた。安いワインの多くにスクリューキャップが使われていることも、この命題の信憑性を高めていた。
だが、ワインを飲み比べていくなかで、スクリューキャップなのにまずくないワインを発見した。しかも、そこそこ値が張る。まさか、葡萄ジュースにアルコールを混ぜたものではあるまい、と調べてみると、果たせるかなスクリューキャップとコルクでは、むしろスクリューキャップの方がワインの味を変質させないと科学的に証明されているらしい。
ちょっとネットで調べれば分かることなのに、いかにも有り得そうな虚構を長年信じていたとは。
ワインなので、あちゃー、ですむが、人間などは本当に虚構の噂が真実とまかり通ることが多々ある。論語の「 衆之を悪むも必ず察す、衆之を好するも必ず察す」とはよく言ったものである。